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レポートやESをAIに丸投げすること

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AIに書かせたものはわかる

ChatGTPの登場がニュースになったのは2023年の秋、そして、案の定、2024年には、大学で担当する作文クラスで、アウトラインをAIに書かせる、作文をAIに書かせる、読解クラスの課題をAIに書かせるという事態が起きてきて、AIを使ったという証拠がないために、トラブルにもなりました。

 

なぜAIを使ったと疑うのか?

多くの場合、ある意味、とても出来がいいのです。できすぎ、それがまず疑う第一歩でした。普段の学生の様子を知っている、実力がわかっている、留学生がこんな語彙や表現を使うわけない、提出物だけこんなに突出してできるのはおかしいだろうということ。

ところが、出来がいいとはいえ、全体に何かおかしい。違和感がある。

AIは過去のデータを広く集めて編集するため、なかなか無難にまとまってはいるのです。

でも、それだけ。

 

2024年のオンデマンドクラスでは、クラスの半数以上が、ほぼ同じ内容のものを提出したことがありました。事例も、事例が書かれている位置も同じでした。その時には、AIにやらせたという証拠はないものの、こんなことがあったら、極めて類似したものを提出した全員を落とす、と宣言したところ、一切なくなりました。

 

基本、私はAI使用を禁止しません。よく言われているのは、無料で使用できるAIの場合、嘘が多いということです。これも、きちんと自分で裏を取るならば、それも学習であると考えます。私自身も、調査をAIに任せることは日常になりました。

けれども、AIに丸投げするのは禁止です。なんのために学費を払って大学にいるのか。大学で何を得ようとしているのか、考えるように言います。

 

AIも日々進化をしているはずです。

けれども、AIには個性がなく、書き手の個性を反映させることもできないようです。

 

人が書いたものとAIが生成したものは何が違うか

それこそ、何が違うのかをperplexityに聞いてみました。

 

以下、AI(perplexity)による回答です。

 

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AIでできない/苦手なこと(論文やレポート作成の観点)

項目 AIにできない・苦手な理由
独自の視点・創造的発想 データや既存知識の組み合わせ以上の新規性を作りいくい
批判的思考・反論・オリジナルな解釈 与えられた情報を順当にまとめる傾向、仮説や逆説の提示が困難
体験的・感情的な記述 個人の体験や内面に根ざした記述は不可能
新規データの発見や独自調査 既存のデータベース外から新たな知見を得ることができない
複雑な文脈理解・長期的理論構築 文脈の微妙なニュアンスや分野固有の「行間」を読み取る力が弱い
最新研究成果のリアルタイム反映 学習データが過去のものであるため、最新情報に弱い
偽情報・架空参考文献の混入 まるで本当のような嘘や存在しない参考文献を作ってしまう

 

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そう考えると、ESをAIに任せるのは危険なのではないか

HPやIRから無難に情報をまとめることはAIが得意とするところですが、AIがネットの無数の情報の中から、信頼できないものを拾ってきて、それが混入する可能性もあります。

また、あなたの経験や価値観を反映させたものを書くことは不可能です。

人間は同じものを見ても、アウトプットは千差万別ですが、AIが書いたものに、あなたらしさは望めません。これは、ESを書く際に致命的となります。

私が半数以上の同様のレポートに対して0点をつけたように、ESの下読みをする担当者は見るべきものがないESとして、捨て去るのではないでしょうか。

 

バイアスやステレオタイプが含まれていないとは言えない」HPや人間固有の『独自性・創造性・批判的思考』を再現できない」(https://www.turnitin.jp/blog/ai-writing-in-academic-journals-mitigating-its-impact-on-research-integrity)ということを考えれば、AIにESを任せた人たちは同様のESを提出すると想像できるのではないでしょうか。

 

ESは、多くの中から、会ってみたい人材を探すためのものです。同じようなESが選ばれるでしょうか。選ばれるはずがありません。

あなたの資質が表されたESを書きましょう。

草稿の段階でAIを使うのは悪いアイディアではないと思いますが、それを上回る修正する力の有無が問われます。

 

 

#就活 #ES #AI 

同じESなら、選ばれない
同じESなら、選ばれない